
北海道最高峰・大雪山の麓、上川町で毎回様々なテーマのプログラムを開講している「大雪山大学」。12月14日と15日の2日間は、大雪原を犬とともに滑走する「犬ぞり体験講座」が開かれました。スキーやスノーボードといったウィンタースポーツとは一味違う犬ぞり体験講座の様子を迫力満点の画像とともにお伝えします。
【犬とのコミュニケーションには様々な学びがある】
犬ぞり体験講座の講師を務めてくださったのは、伝統工法を使った木工職人であり、犬ぞり体験ツアーを企画運営している村林秀尚さん。

▲今回の犬ぞり体験講座のガイド村林さん
村林さんは、大人はもちろんのこと、子どもたちにこそ犬ぞりを体験してもらいたいと語ります。言葉の通じない犬たちといかにして意思疎通をはかるか、考えながら犬たちと触れ合うことで、相手を思いやる心などを感覚的に学ぶことができると言います。
実際、2日間の犬ぞり体験講座には多くのお子さんが参加してくれました。


▲犬ぞり体験講座に参加した子どもたち
【自らそりを操る「操縦体験コース」と小さな子どもでも参加可能な「乗車体験コース」】
今回の犬ぞり体験講座では2つのコースを用意しました。一つは犬ぞりを自分で操る「操縦体験コース」。

▲4頭引きで走る操縦体験コース
犬たちへの指示の出し方やそりの乗り方といった簡単なレクチャーののち、大雪山を望む大雪原を4頭の犬と一体になって走るのです。
走る際には犬たちに「ハイク!」と掛け声を、止まる際には「ウォー!」の掛け声とともに、そりの足元についているブレーキを踏み込むことで、そりが止まるようになっています。

▲足元のブレーキ
そしてもう一つが「乗車体験コース」。ガイドが犬ぞりを操縦するため、小さいお子さんでも参加することができます。親子でそりに乗ることができる乗車体験コースでは、10頭の犬たちがそりを引きます。

▲親子で乗車体験コースに参加した参加者
犬ぞりはサハリンや大陸から入ってきた文化で、冬場の移動や荷物輸送の役割をになってきた歴史があります。複数人が乗っても問題なく走ります。
そりを引く犬のグループにはそれぞれリーダー犬がおり、グループを統率しています。先輩犬がそりを引く姿を見て、新入りの犬たちは自然とそりの引き方を学んでいくのだそう。

▲そりを引くシベリアンハスキー
どちらのコースも、参加者自らが犬をそりにつなげるといった作業から参加し、犬たちとのコミュニケーションをとりながら体験にのぞみました。


▲犬たちとコミュニケーションをとる参加者
【体験した人にしか分からない疾走感】
犬ぞりのスピードは想像以上で、雪の粒が顔に当たると痛みを感じるほど速度が出ます。

▲「ハイク!」の合図で勢いよく走り出す犬(操縦体験コース)

▲3人が乗るそりを軽々と引く10頭の犬たち(乗車体験コース)
壮大な雪原の中を犬とともに駆け抜ける開放感を味わうことができます。

▲操縦体験をする参加者

▲操縦体験をする参加者

▲犬ぞりに取り付けた定点カメラの映像。
犬ぞりに乗って分かるのは、犬がただそりを引くだけではないということ。犬たちは走りながら搭乗者の様子を常に気にかけてくれるのです。
古くから犬が人間の良きパートナーとして、ともに暮らしてこられたのは、そんな犬の優しさと忠誠心が関係しているのでしょう。
犬ぞり体験を終えた参加者からは、「体感速度はまるでバイク。思ったより早くてびっくりした」「北海道の中でもこんな体験はなかなかできないので、上川町に来てよかった」など、皆さん犬ぞり体験に大満足の様子でした。

▲犬ぞりを終えて犬を労う参加者
季節ごとに上川町の自然のなかで、遊びながら学べる大雪山大学。今後も様々な取り組みやプログラムを行う予定なので、ぜひ上川町へ遊びに来てください。