REPORT レポート

ガーデンの魅力を作って発信!「森の自然体験プログラム開発講座」レポート③

▼大雪かみかわヌクモ

7月から3回にわたって開催されてきた大雪山大学「森の自然体験プログラム開発講座」。大雪 森のガーデンに何度も訪れたくなるような魅力的な体験プログラムの開発と、それを担うガイド育成を目的とした本講座も、いよいよ最終回。11月19日(火)に第3回目が行われました。場所は上川町にオープンした体験型交流施設「大雪かみかわヌクモ」です。講師を務めるのは、すっかりお馴染みとなったNPO法人森のこだまの上野真司さん。

▼3回にわたって講師を務める上野真司さん

午前10時からの講座は、まず前回までの復習からはじまりました。その上で、素材である地域コンテンツをいかに観光プロダクツにしていくか、いかに地域の資源に付加価値を付けていくか、ガイドに活かせる個性や特徴、得意分野を棚卸しして、それらの要素の掛け合わせることで、いかに自分ならではの魅力を磨き価値を高めていくか……。上野さんの問いかけは、プログラム開発の根幹に迫るもので、12名の参加者たちは真剣に聞き入ります。

▼スライドで前回の復習をしつつ、話は深い部分にまで及ぶ

「大切なのは、モノを売るのではなく、コトを売るということ。新しい発見や感動があってこそ、心に残るコトが生まれるのです」
そんな上野さんの言葉を受けて、いよいよ前回、お客さんを招いて仮に実施した香り作り体験の初版マニュアル化に挑みます。とはいえ、肩に力が入っていてはいいアイデアも生まれません。上野さんは、和気あいあいと楽な姿勢で話し合いましょうと提案します。なんと、寝転んでもいいですよ~との言葉も!

▼好きな姿勢で、頭を柔らかくして、自由に話し合うことが大事

ここで言うマニュアルとは、一言一句記された内容をなぞることが目的なのではなく、プログラムの骨子やオペレーション上の取り決めをスタッフ同士で共有し、改善を図りながら柔軟に更新・運用していくものという位置づけです。
一連の流れを通じて体験者に何を伝えるか、感じてもらうか?という脚本的な要素も重要になります。
ここでひとつ、上野さんからヒントが出されました。よく「5W1H」という言葉は聞きますが、マニュアル化にあたって必要なのは「6W2H」なのだそう。6W2Hとは、つまり……。
・Why(なぜ)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Where(どこで)
・When(いつ)
・Whom(誰に)
・How(どのように)
・How much(いくらで)

▼2班に分かれて、まずは6W2Hの洗い出しからスタート

大切なのはこれら6W2Hの情報をマニュアルに落とし込み、プログラムを「見える化」して「共有」すること。そのため、今回の講座には、実際にお客さんの相手をするガーデナーやフィールドワーカーだけではなく、事務所のスタッフやショップスタッフなども参加しています。2班に分かれて、6W2Hのワードを元にマニュアル化にあたって必要な事柄を洗い出していきます。

▼ひとつの班は細かく付箋に書いて貼っていく方法

休憩をはさんで、さらに洗い出しを進めていきます。同じことについて考えているのに、2班それぞれ、まとめ方に個性が出るのも興味深いところです。

▼もうひとつの班は大まかな概要を直接書き留めていく方法

そうこうしているうちに、先にプログラム名を決めておこうということになり、多数決で「森の香りを持ち帰ろう!」という名称に決定しました。プログラムの正式名称が決まると、不思議と全員の士気が上がります。いよいよ、2班それぞれに考えた6W2Hについて、発表する時間です。

▼発表していると、改めて考えるべき課題も見えてくる

発表が終わる頃には、まだまだ考えるべきことがたくさんあることに気づかされました。たとえば、予約受付だけじゃなく当日受付も可能にする場合、10時30分から始まるプログラムなら何時までの申し込みを受け付けるのか? もしくは何分遅れまでなら受け付けるのか? 子どもが参加した場合、付き添いの保護者からも参加費をもらうのか? などなど。

▼マニュアル化の大変さを改めて痛感する参加者たち

決めなくてはいけないこと、考えなくてはいけないことがあまりにも多く、どこから手を付けようかと迷っている参加者たちに、講師の上野さんがさらなるヒントを投げかけます。
「全員で何をしなくちゃいけないか、時系列に沿って考えていきましょう。もちろん考え方によって前後するのもアリですよ」
上野さんの言葉に、お客さんが実際に来た時のことを想定して、時系列で考えていくことにしました。

▼プログラムのマニュアル化が完成に近づいてきた!

小学生以下は保護者同伴とすること、予約受付は事務所で、当日受付はショップで行うこと、精算は交流体験棟チュプで行うこと、2台ある蒸留器は1台につき5人まで、つまり1回のプログラムで参加できる人数は最大10人……具体的に、どんどんマニュアルが出来上がっていきます。もちろん、ここですべてを決定するわけではありません。決まらなかったことは持ち帰って検討することにします。

▼それぞれの役割を考える

次に、フィールドワーカーとガーデナー、事務所、ショップの3つのグループに分かれて、それぞれに担うべき役割について考えていきます。ここでも時系列に沿ってどんなことが起こり得るのか、そしてそれによって何をすべきかということを考えていくと、話がまとまりやすいようでした。上野さんは自身が携わる「ノンノの森」のマニュアル事例を参考に、マニュアル化の重要性を説きます。
「情報を各部署で共有すること。森のガーデンに遊びに来たお客さんが、そこで働く誰に聞いても同じ答えが返ってくることが大事なんです」

▼講座は活発な意見交換の下、午後5時頃にまで及んだ

最後に、各部署ごとにまとめ役を立てることにしました。それぞれの部署でまとめたことをデータ化し、持ち寄り、さらに総括したものをデータ化していくのです。3回にわたって開催されてきた大雪山大学「森の自然体験プログラム開発講座」も、これで終了。しかし、実際のプログラム開発はまだまだ終わりではありません。3回の講座で学んだことを軸にして、ここから魅力的なプログラムが誕生していくことでしょう。来年の春のオープンが待ち遠しいですね。