REPORT レポート

魅力的なプログラムを作るには?大雪山大学 ガーデンオリジナル体験メニュー開発講座

▼大雪 森のガーデン

上川町の観光名所のひとつ“大雪 森のガーデン”でガーデンならではの体験メニューを開発する講座が、9月9日(月)に「遊びの森体験メニュー講習会」と題して行われました。
ガーデンにある木・花・植物を生かしたメニューを考えるために、専門分野の異なる2人の講師を招いての開催となりました。

▼遊びの森にある交流体験棟「チュプ」

朝9時30分から始まる午前の部は「ガーデン内でとれる材料を使った木のクラフト作り」講習会です。参加したガーデンスタッフとこの春移住してきた地域おこし協力隊が実際に製作体験をしてみて、今後のプログラムとして検討していきます。今回作る木のクラフトは、この2種類。

▼優しい木の音が響く「ウッドチャイム」

▼羽根部分が動かせる「羽ばたくモビール」

教えてくれるのは、この人。お面作家の紺野龍太さんです。

▼上川町在住のお面作家、紺野龍太さん

三重県出身の紺野さんは27歳でカナダへと渡り、ログハウスとお面づくりを学びました。小樽でログビルダーとして働いた後、上川町へ移住。現在はカナダの先住民族から手ほどきを受けたお面づくりで作家活動を行っています。そんな紺野さんですから、木のクラフト作りはお手のもの。まずは外に出て、木について学びます。

▼遊びの森には、さまざまな木が育っている

「単なる座学ではなく、まずはここに生えている木が何なのか、木を知ることも大事」と、紺野さんは言います。白樺やイタヤカエデといった種類はもちろん、切りやすいのか、割りやすいのか、菌が入りやすいのか、実際に見て、触れて、学んでいきます。

▼交流体験棟に戻って、製作開始!

交流体験棟に戻ったら、いよいよ製作開始です。使うのはノコギリやナタなど、昔ながらの手道具。ここでも、木材の硬さなどを確かめながら、たとえばウッドチャイムの音はどの木が響きがいいか、考えながら作ることが求められます。

▼ものづくりの楽しさを改めて実感

木のにおいや手触りを感じながらのクラフト作りは、大人になっても楽しいもの。参加したスタッフたちも、思わず夢中になって作業を進めていきます。そしていよいよ、完成の時。

▼インテリアのアクセントにも素敵なウッドチャイム

▼モビールは、下の紐を引っ張ると羽ばたく仕組み

準備した木材をただ加工してもらうのではなく、自然の中に生えている木を実際に見るところから始めるというのは学びの要素もあり、スタッフたちはプログラムの大きなヒントを得たようでした。

▼2人目の講師を迎えて始まった午後の部

休憩をはさんで13時30分から始まった午後の部は「花ハンドメイド」講習会です。最近人気が高まってきている花ハンドメイドとは何なのか、教えてくれるのは地域コーディネーターの肩書きも持つ服部美代子さんです。

▼講師の服部美代子さん(左)とアシスタントで実の母でもある陽子さん

服部さんはUVレジンをはじめ、ハーバリウムやフラワーアレンジメント、はたまたバルーンアートまで、さまざまなものづくりのスキルを持つエキスパート。「アクセサリー作りに挑戦して思うように作れず、トラウマになってしまう人がいます。つまり、ものづくりは最初の体験がとても大事なんです」という服部さんの言葉に、参加したスタッフたちも真剣に聞き入ります。

▼用意された色鮮やかな材料に、みんな興味津々

この日服部さんが用意してくれたのは、パーツとなる乾燥させた色とりどりの花。こうして卓上に広げるとワクワク感が増し、やる気も高まります。工程の見せ方や演出も、魅力的なプログラム構成にするためには大切な要素なのです。

▼細かい作業に集中するスタッフの真剣なまなざし

それぞれに好みの花とアイテムを選んだら、早速、製作開始。ガーデン内に実際に咲いていた花や植物も材料に取り入れていきます。今回作るのは、もっとも簡単な枠ありのレジンアクセサリーや、少し難しい枠なしタイプのレジンアクセサリー、3Dプレミアムのインテリア小物、アロマワックスバーなどです。難易度の違うものを作ることも、今後のプログラムを考えるにあたり参考になるはず。

▼花ハンドメイドは個人のセンスが光る!?

こうしして出来上がったのが、難易度の異なるレジンアクセサリーやアロマワックスバーなどなど。

▼枠ありで簡単に作れる髪留め(写真左) 少し難しい枠なしのマグネット(写真右)

▼左がハーバリウム、中央がアロマワックスバー、右2つは枠なしマグネット

午前と午後、2種類の製作体験を終えて、参加したガーデンスタッフや地域おこし協力隊は大雪森のガーデンでの体験メニューとしてブラッシュアップする手応えを感じたようでした。どういう人に向けて、何を伝え、何を体験してもらうのか? を踏まえて来シーズンは、ますます来場者が何度も訪れたくなる魅力的なガーデンになって行くでしょう。