
毎回幅広いテーマで開講している上川町の「大雪山大学」。2019年9月は、2日間にわたって「アウトドアプログラム体験講座“ラフティングアドベンチャーツアーin層雲峡・石狩川”」が開講されました。
今年から新しく加わったラフティングというアクティビティ。その魅力を地元の人にも身近に感じてもらいラフティング人口を増やすことでアウトドアのまちとして上川町を知ってもらうことがねらいです。さらには、本講座を通じて未来のアウトドアガイドの発掘や育成、さらなるアウトドアプログラムの開発へとつなげていく予定です。
春にアウトドアガイドを目指して上川町に移住して来たアウトドアプロデューサーの近江さん、上野さんも今回講座スタッフとして活躍しました。
どんな人が参加して、どんな体験ができたのか、詳しくレポートしていきましょう。
【あいにくの天候だった1日目】
第1日目となった9月7日(土曜日)は、朝からあいにくの雨模様。上川ファミリーオートキャンプ村に集合した参加者たちは少し不安そうでしたが、もちろん、雨天決行です。
▼しとしとと降る雨にも負けず、決行!(写真左) ライフジャケットやヘルメットを装着した状態でバスに乗り込む(写真右)


この講座でガイドを務めるアルパインリバーガイドの大田俊斉さんによる本日のコース説明の後、ここから観光バスに乗ってラフティングの出発地点へと向かいます。最初から現地集合ではないのは、その日の水流によって、出発地点が変わるからなのだそう。
現地で改めてラフティングと安全面のレクチャーを受けたら、いよいよ実践です。緊張とワクワク感の入り交じった表情で、ラフティングボートに順番に乗り込んでいきます。
▼雨天にも関わらず、これだけの参加者が

層雲峡の壮大な自然の中を進んでいくのは、少しのスリルもありつつ、やはり日常では味わえない爽快感に満ちています。参加者たちはすっかり童心に戻って、夢中になっているようでした。
▼満面の笑みがラフティングの楽しさを物語る

この日は大函からスタートし、約7kmの距離を下っていきました。コースの途中にある小函の柱状節理は今は遊歩道が立ち入り禁止区域の為、このラフティングでしか堪能できない絶景です。ゴールまで無事に辿り着いた時は、一様に清々しい表情なのが印象的でした。
▼オールを高く掲げてハイタッチ!

ラフティング体験が終わって上川ファミリーオートキャンプ村に戻ると、こちらもお待ちかね、楽しいBBQ交流会の時間です。上川町産食材の、ブランド豚「渓谷味豚(けいこくみとん)」と、辰巳農園のとうもろこし、そして上川産大豆を使ったノンカフェインの大豆コーヒーなどが用意され、ここでもしっかりと上川町の魅力を味わってもらおうというわけです。
▼参加者自身でどんどん焼いていく

ここで参加者に感想をうかがってみました。
苫小牧と旭川からそれぞれ参加した戸村史織さんと岡本彩さんは「雨だからやめようかなぁと思ったけど、靄が出て雰囲気があって、かえって良かったかも!」「初めての体験で、楽しかったです」と満足顔。
▼友人同士で参加した岡本さん(左)と戸村さん

また、地元から参加した西木さん家族は「上川町民ですが、こんな素晴らしい景色を見たのは初めて。普段通っている国道からは見えない景色なので、驚きました」と、改めて地元の良さに触れた様子。
▼西木さんファミリー、左から麻希さん、瑠花ちゃん、光英さん

初めての人も地元の人も、それぞれにいろいろと発見があったということで、実りの多い1日になったようでした。
【一転、カラッと晴れた2日目】
2日目、9月8日(日)は前日から一転してカラッと晴れました。むしろ北海道の9月としては記録的な暑さ。
▼この日も上川ファミリーオートキャンプ村に集合

参加者も前日の倍くらいの人数に増えました。「ラフティングをしたことがある人は?」というガイドの大田さんからの問いに、数名が手を上げていました。
▼前日同様、まずは大田さんのコース説明からスタート

講座の流れは、1日目と同じ。観光バスで出発地点まで行って、そこで改めてラフティングのレクチャーを受けます。
▼レクチャー中は、みんな真剣な面持ち

いよいよラフティングがスタートすると、快晴の中で石狩川の水面がキラキラと輝き、1日目とはまた違った自然の魅力に溢れています。
▼流星の滝など見どころもたくさん(写真左) 初心者もOKのコースながら、迫力満点!(写真右)


もちろん、流れの激しいところでは参加者一丸となってオールを漕ぎます。
ゴール地点では、やはり笑顔、笑顔、笑顔。やはり清々しい達成感に満ちていました。
▼参加者全員で記念撮影

そして、上川ファミリーオートキャンプ場に戻って、もうひとつのお楽しみのランチタイムです。この日は晴天だったので、この日の為に上川町入りしたガイドの方々も一緒に外でのBBQ交流会となりました。
交流会では、それぞれのボートのガイドさんと今日のラフティングを振り返ったり、上川町の他のラフティングコースの会話も楽しみました。
また、その中で地域おこし協力隊の絹張さんからコーヒーとココアのサービスがあり、上川町に新しくできた大雪かみかわヌクモの魅力やそこでの活動紹介
についてのお話もありました。
▼楽しいBBQにラフティングの疲れも吹っ飛ぶ

神奈川から観光で訪れた菅原さん親子は、宿泊先で今回のラフティング体験のことを教えられ、参加したのだとか。「あまりの景色の美しさに、移住したくなりました!」と興奮気味です。また、同じ宿泊先にいた中村さんは、なんと釧路からの自転車旅行中。「旅の途中ですが、思い切って参加して良かったです」とのことでした。
▼左から菅原洋子さんと杏奈さん親子、中村悠太さん

最後に、この講座でガイドを務めた苫小牧出身の大田俊斉さんに話を聞きました。
「アウトドアでメシが食えるようになりたくて、20年ほど前からラフティングメインで仕事をしています。ニセコとニュージーランドを行き来する生活を経て、四国に移り住み、今年の4月に念願だった上川町でガイドを始めました。上川町の自然は、美しくも荒々しい。その魅力を広く知ってもらいたいと思っています」
▼大田俊斉さんと、今回スタッフ兼カメラマンとして参加していた妻のまりさん

大田さんの思いは、まさに今回の講座のねらいと合致するもの。2日間を通じて、きっと参加者たちにも上川町の魅力は存分に伝わったことでしょう。これからも、さまざまなテーマや趣向で開講される予定の大雪山大学。気になった人は、ぜひ当サイトをチェックしてみてください。