上川町の新たな魅力を作り全国に拡げるべくスタートした、大雪山大学 お土産開発プロジェクト。今回、新たな商品化に挑戦するのは上川町の食の魅力を発信する団体「フロムK」が取り扱う「大豆コーヒー」。より多くの人に上川町の特産物である大豆「とよみづき」のおいしさを伝えるため、手づくりで大量生産が難しい大豆コーヒーの「パウダー化(お湯で溶ける粉末)」を目指しました。

▲上川町産の大豆。焙煎するとコーヒーに負けないほど豊かな風味に。
【大豆コーヒーを手軽に。「大豆コーヒーパウダー化」プロジェクトスタート】
大豆コーヒーをパウダー化するにあたり、ご協力いただいたのは名古屋でドリップコーヒーなどの粉末食品を製造・販売しているパウダーフーズフォレスト。全国でも認知度が高い「INIC coffee」などを販売するパウダーフーズフォレストの商品コンセプトやパッケージデザインに惚れ込んだプロジェクトメンバーが協力を依頼。パウダーフーズフォレストにとっても、自治体とのコラボや大豆のコーヒー化は初めての挑戦だったものの、メンバーの想いに共感し、このオファーを快諾。手探りの中ではありつつも、プロジェクトが2018年7月にスタートしました。
【試作スタート。見えてきた課題】
夏の暑さもまだまだ続く8月上旬、フロムKより大豆コーヒーのサンプルをパウダーフーズフォレストに送付。いよいよ試作品の開発がはじまりました。そして約1ヵ月後、時間をかけ調整された試作品が上川町に届き、プロジェクトチームで試飲。すると「味は問題無し。だけど、大豆コーヒー特有の風味や香りが消えている」という意見が。パウダー化することで、大豆本来の風味が失われてしまうという課題に直面してしまいました。そこで再度サンプルと焙煎した大豆を送り、上川産大豆の豊かな風味や香りの再現を追求します。そのサンプルを元にパウダーフーズフォレストで再調整し、3種類の試作品が完成。プロジェクトチームで2度目の試飲会を実施したところ、3種類の試作品の中のひとつが大豆コーヒーに近いという結論に。その試作品をベースに調整を重ね、プロジェクトスタートから約4ヵ月後の11月。ついに大豆コーヒーのインスタントパウダーが完成しました。
【商品完成!全国展開に向けて販路の検討】
完成した大豆コーヒーパウダーを世に出すべく、販売元や価格帯、販路を検討。販売元として、上川大雪酒造の売店を運営する「緑丘工房株式会社」も協力してくれることに。そして12月、価格帯やパッケージデザインが決定し満を持して大豆コーヒーパウダーのボトルタイプが発売。氷瀑祭りの売店で販売をスタートし、日本全国や世界各地からやってきた観光客の方に注目されました。

▲INICコーヒーのデザインをベースに、北海道発を表現したパッケージ。
【全国へ広がる大豆コーヒー】
氷瀑祭りで好評を得たボトルタイプに次いで、ちょっとしたお土産にちょうどいいスティックタイプと新商品「深煎りきなこラテ」の販売も決定。緑丘蔵売店や北海道内のお土産屋さんなどで順次販売する予定です。
告知用のフライヤーには、プロジェクトの主要メンバーである「フロムK」辰巳裕亮さんのメッセージが。「北海道の屋根、大雪山の麓で、厳しくも大いなる大雪山の恵みを受けて育つ上川町の大豆「とよみづき」ほど、「大豆コーヒー」にうってつけの豆はないと自負しております。大雪山の大自然で生まれた、北海道の「スペシャル」な大豆珈琲をぜひご賞味ください。」
ノンカフェイン飲料のニーズが高まっている今、大豆由来のコーヒーはSNS等でも注目されはじめています。じわじわとニーズが高まっているタイミングで販路を拡大したことで、上川町の大豆コーヒーもたくさんの人に注目してもらえる可能性も。上川町の魅力が日本や世界へ広がるきっかけとなるお土産開発となりました。


▲完成した大豆コーヒーパウダーを告知するフライヤー。