REPORT レポート

地元の冬の魅力を再発見! 層雲峡温泉氷瀑まつりで「氷の学校」

大雪山をキャンパスに、人と地域と未来を育んでいる「大雪山大学」は、1月27日に層雲峡温泉氷瀑まつりで「氷の学校」を開校しました。上川町内の小学生と親子が参加し、氷瀑まつり会場ができるまでの解説を聞いた後、ワークショップ として、アイスカプセル作りを行いました。当日の模様をレポートします。

【極寒の中の氷瀑づくり】

▲実際の氷瀑

今年で44回目を迎える層雲峡温泉氷瀑まつりは、冬の層雲峡温泉の風物詩となっています。まつりの名前にもなっている「氷瀑」とは、氷結した滝を意味しており、層雲峡の代名詞とも言える流星の滝や、銀河の滝が凍り付く様子をイメージしています。

▲氷瀑まつりができるまでを解説

「氷の学校」では、層雲峡観光協会の岩本昌樹さんから開校の挨拶が行われた後、映像を使って氷瀑まつりができるまでの様子が解説されました。開催半年前から氷像の設計や会場のレイアウトなどを構成するため「氷瀑まつりが終わった直後には、来年の用意に取り掛かっている」のだそうです。

▲2019年のメイン氷像は大雪山をイメージ

今年は、「カムイと共に生きる上川アイヌ」が日本遺産に登録されたことから、メイン氷像は大雪山をイメージして制作されました。氷像の中はトンネルになっており、氷の世界に迷い込んだような感覚が楽しめます。

▲「風の向きを読みながら放水している」と語る岩本昌樹さん

氷瀑づくりは極寒の中で進められています。まずは8台のポンプで石狩川の水を吸い上げて造形物の丸太に水を吹きかけるのですが、単純に水を吹きかけるのではなく制作作業員が研究加工した特殊な鉄材を使って水を噴霧状に調整して吹きかけています。その際風向きを図って噴霧するものの、時には計算を誤り逆向きにカーブしてしまうこともあるとのこと。職人のような長年のカンと技術が求められる作業です。

▲2019年の氷瀑まつりは1月25日から3月17日まで開催

氷の塊ができた後は、チェーンソーを使って歩道を作ります。「今年は110mも切り出しました。これが結構大変な作業なんです」と言います。氷瀑まつり開催2日前にテストライトアップが行われ、お客さんの来場を静かに待ちます。

▲地元のまつりを一緒に盛り上げて

参加した子どもたちは、氷瀑まつりを行うために毎日大掛かりな作業が行われていることや、たった7人の手で作られていることを知って驚きを隠せません。岩本さんは、「みんなが高校生くらいになったら手伝ってほしい」と呼び掛けていました。

【親子でアイスカプセルづくりに挑戦】

▲初めての試みとなるアイスカプセルづくり

氷瀑づくりの解説の後は、アイスカプセルづくりに移ります。

用意されたスプレーストック、スプレーバラ、スイートピー、ブプレなどの花を7~8輪選び、茎を20cm程度にカットして木の枠に空けた穴にディスプレイ。水を張ったバケツに入れて外に放置しておくと、翌日にはキレイなアイスカプセルが完成するという流れです。使用する水は透明度を上げるために、一度沸騰させてカルキを抜いています。

▲(左)まずは花を選ぶ/(右)親子で相談しながら決めていく

▲バランスとセンスが重要

この日は3組の親子が参加しました。「花をディスプレイする際は、バケツに入れることを考慮して中央に寄せた方がいいね」など、親から子へのアドバイスが聞こえてきました。

▲(左)親子で過ごす楽しいひと時/(右)記念写真をパチリ

▲親子の交流の場として喜ばれた

夏に行われたキッズアンバサダープロジェクトにも参加したというお母さんは、「子どもと交流しながら、上川の良さを知ることができる貴重な機会」と、大雪山大学の取り組みに賛同されています。「地元の子どもたちに上川の冬の魅力を再発見してもらい、地元愛を育んでもらう」という大雪山大学の目的が、地域に浸透していることが伝わります。

▲作品は3月17日まで展示

昼間はブルーに輝き、夜はライトアップされて鮮やかに浮かび上がる氷瀑まつり。今回作ったアイスカプセルは、3月17日の閉会まで会場内に展示されています。親子の絆で作り出された作品を見に、足を運んでみてください。

▲(写真提供:層雲峡観光協会)

所在地:北海道上川郡上川町層雲峡層雲峡温泉特設会場内
開催時間:14時~22時(2月4日~11日は10時~22時)
期間:2019年1月25日~2019年3月17日
料金:協力金として300円
お問い合わせ:01658-5-3000