
2017年より開校し、好評を得ている大雪山大学。毎回幅広いテーマで参加者を募り、子どもから大人まで、さまざまな人に向けた学びを提供しています。
2018年12月5日(水)と18日(火)には「小さな起業のはじめかた講座」と題して、かみんぐホール1階リハーサルルーム、カルチャールームにてそれぞれ開催。3人の講師を迎え、起業に興味のある人の素朴な疑問や相談に応じていきました。その様子をレポートしていきます。
講座は、具体的な相談案件のある方向けのプログラムAと今後起業を考えてみたい一般参加の方向けのプログラムBとして2種類行いました。
【3タイプの起業家が講師として指導】

▲会場となったかみんぐホール

▲講師 山本亜紀子さん
山本亜紀子さんは、2007年に株式会社エルアイズを設立。北海道の主婦層をターゲットにする商品やサービスの改善、開発の提案、企画・進行するマーケティング支援の仕事を行っています。TVの情報番組でコメンテーターとしても活躍しており、札幌市でのさまざまな役職もお持ちです。

▲講師 赤坂若菜さん
2014年にPATTERN PLANNINGとして独立した赤坂若菜さんは、2017年に法人化。デザインディレクションの他、商品の企画や販促計画の立案なども行っています。2018年には自身のプロデュースするカフェもオープンし、ますます活躍の場を広げています。

▲講師 村本太平さん
アメリカ生まれの村本太平さんは、旧地域振興整備公団での活動を経て、小樽商科大学ビジネススクールに1期生として入学。同期と共に、経営コンサルティング会社である有限会社IEPを立ち上げました。2009年にはデザインや法務といった異能のプロフェッショナル集団もIEPにて結成しています。
第1回目の12月5日、プログラムAでは、上川町産の大豆を使って大豆コーヒー作りに取り組む有志の会「フロムK」の方々が参加。事前に「起業しようとしているのは、どんなアイデアか」とか「どのような顧客がターゲット?」といった、漠然とした考えを論理的にまとめてくれるビジネスプランシートを事前に提出し、そのビジネスプランシートに基づいて、講師の山本さんと村本さんから具体的なアドバイスを受けたり起業に向けたディスカッションを行いました。

▲プログラムAの様子
その後のプログラムBでは、町内の主婦の方や観光関係の方々など14名が参加しました。
ここでは、講師の山本さんと赤坂さんが自らの起業ストーリーについて語ってくれました。何がきっかけとなったのか、資金面をどうクリアしたのか、孤独や不安にどう向き合ったか、などなど、実体験が赤裸々に披露されていきます。いずれも実際に目の前にいる人たちが経験し、乗り越えてきた物語なので、参加者たちの士気もグッと上がります。
起業というと、何やらエネルギーも才能も人一倍ある人が行うこと、というイメージがあるかもしれません。しかし今回の大雪山大学のテーマは「小さな起業のはじめかた講座」。自分のできること、得意なこと、ちょっとしたアイデアを起業に結びつけるにはどうすればいいかを具体的かつ実践的に教え、起業を身近なものとしてとらえる考え方もレクチャーしてくれました。

▲熱心に耳を傾ける参加者たち
講話のあとは、質問タイムです。熱い話を聞いたばかりとあって、参加者たちの前のめりな姿勢が印象的でした。さらにビジネスアイデア創出シートの作成方法の説明で第1回目は終了。
【実際に参加した人はどう感じた?】
2回目の12月18日には、改めて講師と対面し、第1回目の講座で作成したシートのプランを元に、より具体的で実践的なアドバイスをもらいます。的確な言葉に、参加者たちの目がどんどん本気度を増していくのが分かりました。実際に参加した人は、この2日間でどう感じたのか、聞いてみました。

▲辰巳裕亮さん
実家を継ぐために東京から上川へUターンしたという辰巳裕亮さん。現在は農業に従事する傍ら、上川産大豆のコーヒーを開発するなど、仲間と共に上川町活性化のプロジェクトに取り組んでいます。
「起業ということ自体について学びたくて、参加しました。数年後の自分がどうなっていたいかを思い描き、書き出すことの大切さを教えてもらった気がします。また、講師陣それぞれのスタートアップ時の心構えや資金についてのお話は、参考になりましたね。個別相談では細かいアドバイスもいただきましたよ」(辰巳さん)
既に起業に向けて動き始めている辰巳さん。講座に参加したことで、大雪山の麓にある上川町ならではの魅力を伝えられる商品開発に、より一層のモチベーションを得たようです。
大雪山大学では、今後も多彩で興味深い講座をたくさん企画しています。気になった人は、ぜひ当サイトをチェックしてみてくださいね。